「国連特別報告者とは?」 共謀罪以外にも何度も日本に対して勧告を出していた!?
先日、共謀罪に対して勧告を出した
「国連特別報告者」
今回は、そもそも国連特別報告者とは誰なのか、その役割は何なのかということについて見ていきます。
- 1.国連特別報告者は国連の中でどこにいる?
- 2.国連特別報告者の役割
- 3.日本は共謀罪を成立させることを諦めないといけない?
- 4.以前にも国連特別報告者から日本への勧告があった?
- 5.勧告を受けて日本がするべきことは?
1.国連特別報告者は国連の中でどこにいる?
まずは、国連特別報告者が国連全体のシステムでどこに位置付けられているのか見てみましょう。
国連特別報告者は、国連の主要機関「総会」の中の、「人権理事会」のもとで働いています。
国連は、人権理事会の役割を以下のように述べています。
・人権侵害に取り組み、それに対応する勧告を行う。
・理事会は人権の緊急事態に対処し、人権侵害を防止し、総合的な政策ガイダンスを提供し、新しい国際規範を発展させ、世界のいたるところで人権順守を監視し、加盟国が人権に関する義務を果たせるように支援する。
・人権についての関心事項について発言する場を国家(加盟国やオブザーバー国)や政府間組織、国内の人権機関、NGO に提供する。
簡単にまとめれば、
国連に加盟している国で、人権侵害等が行われていないかチェックをして、必要であれば、国連として意見を述べる
という役割を担っているということです。
2.国連特別報告者の役割
では、人権理事会のもとで働く国連特別報告者とは、どのような人たちで、どのような役割を持っているのでしょうか?
個人の独立専門家で、特定の国における人権状況やテーマ別の人権状況について調査、監視、公表を行います。
参照:用語集|国連広報センター
任期は最高で6年、中立的に調査を行うため、給与その他金銭的報酬は受け取ってません。
彼らは、それぞれが独立して活動しており、各国の人権状況などを調べて、国連に報告し、改善が必要ならば、「勧告」という形で、当事者の政府に対して意見を述べます。
3.日本は共謀罪を成立させることを諦めないといけない?
国連特別報告者であるジョセフ・ケナタッチ氏から、プライバシーが侵害される恐れに配慮した措置を整える必要性があるという「勧告」が出されたわけですが、日本はこの指摘を受けて共謀罪の成立を諦めないといけないのでしょうか?
結論から言うと、
この勧告に日本政府は従う必要はない
です。
なぜなら、国連の勧告には法的な拘束力はないからです。
実際に、菅官房長官は、
特別報告者という立場は独立した個人の資格で人権状況の調査報告を行う立場であり、国連の立場を反映するものではない。
と述べて、抗議を行うとともに、予定通り、国会での採決を行っています。
4.以前にも国連特別報告者から日本への勧告があった?
国連特別報告者からの日本に対する勧告は何度かありましたが、その中でも有名なものとして、
クマラスワミ報告書
があります。
これは、1996年に出された女性への暴力をテーマにした報告書で、その中に日本の従軍慰安婦問題に対する報告も含まれていました。
その内容は以下のようなものでした。
日本軍が女性を「性奴隷」として扱った、軍隊性奴隷制の実態があった、と断言し、「被害者」として調査取材に応じた朝鮮人女性らの証言にもとづき、日本軍が行ったとする「蛮行」の様子を仔細に記述し、その上で、日本政府に被害女性への謝罪や賠償などを行うように勧告が出された。
また2015年に、
「日本の女子生徒の13%が援助交際をしている」
というニュースが報道されたのを覚えていますか?
最終的に数値を裏付ける公的・最近のデータがなかったとして撤回されましたが、この発言をしたのも、「児童売買、児童買春及び児童ポルノ」の調査を日本でしていた「国連特別報告者」でした。
5.勧告を受けて日本がするべきことは?
法的拘束力のない勧告ですが、私たちはここからなにを考えればいいのでしょうか??
政府の説明が十分だと思わないとの回答が77・2%
共謀罪法案に賛成は39・9%、反対は41・4%。
という結果になっています。
法案に反対する人たちの報道が日々されていますが、一方で、世界中で危険性が高まっているテロ等に対する不安から、その対策のためにこの法案に賛成している人もいます。
しかし、説明不足と感じている人は77.2%と、政府の説明が国民に届いていないと言えるでしょう。
以下私の意見になりますが、
共謀罪に対して、「成立」か「不成立」がという議論ではなく、今回の勧告も参考にして、どの点が問題なのかを明らかにし、その部分だけを修正するようにするべき(するべきだった)のではないでしょうか。
そのためにも、反対を叫ぶだけではなく、具体的な修正の方向に動かなければならない。そうなれば、政府からの説明ももっと出てくる、、、
とも思ったのですが、今回の共謀罪は当初の案から修正が加えられているもの、民進党や日本維新の会から対案を提出されていること、さらには法務大臣の野党からの質問に対する回答への批判などを考えると、これ以上の譲歩を自民党がすることはなかったのかもしれません、、、
そうなると、
今回の共謀罪をめぐる議論に対する意見は、次の選挙で、自分の投票権をもって示さなければならない
と改めて思いました。
参照:
東京新聞:「共謀罪」書簡の国連特別報告者 日本政府の抗議に反論:国際(TOKYO Web)
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