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「緊迫する北朝鮮情勢」 part2 それぞれの国の思惑を整理して、頭をすっきりさせよう!(中国、ロシア、アメリカ、日本)

今回は、

「緊迫する北朝鮮情勢」 part2ということで、

part1の内容に続いて、北朝鮮情勢に関する

中国、ロシア、アメリカ、日本

の思惑について見ていこうと思います。

 

 

part1はこちらから、

politik.hatenablog.com

 

 1.北朝鮮と中国の意外な関係。なんで中国は北朝鮮の味方をするの?

北朝鮮にとっての中国

中国は、北朝鮮にとって、2つの点において、最も重要な国と言えるでしょう。

 

1つ目は、その同盟関係です。

北朝鮮と中国は、中朝友好協力相互援助条約という条約を結んでいます。

その条約の中には、

両締約国は、共同ですべての措置を執りいずれの一方の締約国に対するいかなる国の侵略をも防止する。いずれか一方の締約国がいずれかの国又は同盟国家群から武力攻撃を受けて、それによって戦争状態に陥つたときは他方の締約国は、直ちに全力をあげて軍事上その他の援助を与える。

という条文があり、これは、

 

中国か北朝鮮、どちらかが攻撃を受けて戦争になった場合は、お互い直ちに助けますよ

 

という内容です。

 

最近中国ではこの同盟関係を見直すという報道がありましたが、北朝鮮としては、万が一にもこの同盟がなくなってしまったら、軍事的に完全に孤立してしまい、とても困ることになります。

 

2つ目は、その貿易関係です。

 

北朝鮮は、

 

原油のほとんどを中国から輸入しており、

 

石炭の輸出など、輸出の9割は中国向け

 

です。

 

つまり、中国なしでは北朝鮮の経済は成り立たない、さらにはミサイル開発も行えないのです。

 

中国にとっての北朝鮮

では、国際的に非難を浴びている北朝鮮が中国にとって重要な理由はなんでしょう?

 

基本的に中国は、

 

北朝鮮の体制を維持していたい

 

という思惑があります。

 

もし、北朝鮮が崩壊して、アメリカ、韓国が主導で、朝鮮半島が統一されたら、どうなるでしょう?

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参照:朝鮮半島 白地図集

このように朝鮮半島と国境を接している中国にとっては、北朝鮮の体制が崩壊して、韓国による統一国家ができると、軍事的にかなり嫌だということが分かります。

なぜなら、韓国にはアメリカ軍がいるので、目の前に敵が来ることになります。

 

また、戦争などが起こると、北朝鮮から中国に難民が流れ込んでくる可能性もあります。

 

中国にとっては、北朝鮮がそのままいてくれたほうが都合がいいのです。

 

しかし、核開発をどんどん進める北朝鮮の行動、さらにそれに対する世界から非難の声、さらにアメリカのプレッシャーもあって、中国は、今までよりも強い経済制裁などを行っており、関係は悪化しています。

 

2.ロシアは何を考えている??

先日ロシアの行動に関してこんなニュースがありました。

ロシア極東ウラジオストク北朝鮮北東部の経済特区、羅先との間に5月8日から定期航路が開かれる。

(中略)

核兵器などの開発を続ける北朝鮮との経済協力に前向きなロシアの姿勢が明確になった。

産経ニュース あの「万景峰」号がロシアと定期航路に

核開発によって、世界から非難を受けている北朝鮮に対して接近を図るような行動をとり、それ以外にも、北朝鮮と一部で軍事的、経済的に協力関係を結んでいるロシア。

 

その意図とはなんなのでしょうか?

1つとしては、

 

中国との関係が悪化している北朝鮮に対して、中国に代わって影響力をもちたい

 

ということがあげられるでしょう。

 

北朝鮮をロシアがコントロールできるようになることで、中国やアメリカ、また日本に対する交渉などがしやすくなると考えている可能性があります。

 

つまり、例えば、

 

北朝鮮に核開発を止めるように言うから、ロシアに対する経済制裁を緩めてよ」

 

という具合です。

 

また中国と同じようにロシアも北朝鮮と国境を接しているので、韓国による統一国家ができると、敵対しているアメリカの軍隊が目の前にくるリスクが生まれることになるので、その状況はなんとか避けたいところです。

つまり、ロシアにとっても北朝鮮が今のままでいてくれたほうが都合がいいわけです。

 

3.なんで突然動き出した!?アメリカの意図。

最近、北朝鮮情勢が緊迫している大きな要因の1つはアメリカの行動ですね。

原子力空母を派遣したりして、北朝鮮に大きなプレッシャーをかけてます。

 

では、なぜ突然アメリカは動き出したのでしょう?

大統領がトランプさんになったからというのは、1つの理由ではありますが、さらに大きな理由として、

 

ICBM大陸間弾道ミサイル)*と核開発の阻止

 

があげられています。

 

ICBM大陸間弾道ミサイル):他の大陸まで届くような、長距離を飛ぶミサイル。

 

この2つが完成すると、アメリカの首都ワシントンにまで北朝鮮が核ミサイルを飛ばせるようになり、アメリカにとって、とても嫌な状況になります。

 

なので、北朝鮮の急速に進む兵器の開発をここでなんとかとめよう、というわけです。

 

4.日本の意図は?私たちは一体全体なにを考えているの??

ここまで、北朝鮮を取り巻く各国の思惑を見てきました。では、私たち日本はどうしたいのでしょうか?

 

昔からの問題としては、

 

・核開発の阻止

拉致問題の解決

 

があげられるかと思います。

 

一方で、現実は、拉致問題は一向に解決せず、北朝鮮の核開発も進んでいます、、、 

 

北朝鮮の問題は、今の憲法改正の問題などにも深く関係してきます。

 

北朝鮮の脅威が増す中で、どのようにして日本を守るのか?

自衛力を増すのか?アメリカにもっと頼るのか?それともとにかく平和外交を貫いて、話し合いを続けるのか?

どうしたら拉致問題が解決するのか?

 

日々のニュースを見ながら、こういった問いについてよく考え、選挙で自分たちの意志を示していくことが、私たちがするべきことなのかなと思います。

 

5.まとめ

最後にpart1とpart2で書いた各国の思惑をまとめて、終わりたいと思います。

 

北朝鮮:今の体制を維持したままでの、朝鮮戦争の平和条約の締結。

韓国:できれば統一。でも今の北朝鮮との統一、急進的な統一はしたくない。

中国:北朝鮮にそのままいてほしい。もしアメリカ、韓国が主導で朝鮮半島が統一されてしまったら、自分の国境に敵がくることになって嫌だ。

ロシア:中国に代わって北朝鮮に影響力を持ちたい。中国と同様で、朝鮮半島との国境に敵が来るのは嫌だ。

アメリカ:アメリカの首都まで届くような、ミサイル、核が完成する前に、なんとか止めたい。

日本:核開発の阻止や拉致問題の解決。

 

この記事で、北朝鮮情勢に対する各国の思惑、またそれぞれの関係がわかったと思います。

それを頭に入れつつ、

今後も一緒に北朝鮮情勢を注視していきましょう!!

 

 

※この記事での意見は、様々なニュースをもとにした私の意見です。

参照:

www.recordchina.co.jp

www3.nhk.or.jp

ironna.jp

benedict.co.jp

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